【夢・志作文コンクール】校舎長 坂本の夢・志(2025年)

皆さん、こんにちは!校舎長の坂本です。
さて、今年も東進では「志作文コンクール」が開催されます!
「志作文」とは何か…?私も自分と向き合い書いてみましたので、まずはご一読ください!
坂本の書いた夢・志作文
「生き方を再定義する」
「地方に生まれたら、選択肢は少ない」「都会に出ないと、夢は叶わない」
これは、私が高校生のときに周りからよく聞いた言葉だ。無意識のうちに、「都会が上で、地方は下」そんな空気が、当たり前のように漂っていた。
でも本当にそうだろうか。
私は大学卒業後、東京での就職を辞退し、千葉県の南端に移住した。安定したレールを降り、自分で仕事を作って生きていく道を選んだ。動画制作から始まり、教育、海女漁、パン屋の立ち上げまで、自分の足元から地域に関わる仕事を広げている。
一見「田舎で細々とやっているだけ」と思われるかもしれない。でも、私の中には逆の感覚がある。「ここから、世界を変えてやる」という強い志だ。
ただ、私の夢は「地方創生」や「地域活性化」といった言葉におさまるものではない。もっと根っこの部分にある。それは、「生き方の再定義」である。
時代が進むにつれ、経済的には確かに私たちの生活は便利で快適になった。戦後の混乱期や物資が足りなかった時代と比べれば、現代は圧倒的に「恵まれている」と言えるはずだ。
しかし、当時の方が人と人との関係はずっと濃く、温かかったという話もよく聞く。たとえば、近所付き合いや地域のつながり。「みんなで助け合って生きていた」時代には、数値化できない豊かさがあったのではないか。
そして私が強くそのことを実感したのは、大学の卒業旅行で訪れたタイでの出来事だった。
現地の川は濁っていて、日本の基準からすれば決して「きれい」とは言えない環境だった。でも、そこで遊んでいる子どもたちの笑顔は、とても自然で、心から楽しんでいるように見えた。物質的には日本よりもずっと厳しいはずなのに、そこにはたしかな「幸せ」があった。
ふと東京の風景を思い出す。満員電車、無表情の大人たち、忙しなく過ぎていく日々。どちらが「豊か」なのだろう。どちらが「幸せ」なのだろう。
また、今この瞬間も、世界では自由に「頑張ること」すら許されない人が大勢いる。
ウクライナとロシアの戦争の中で、命を無差別に奪われている人々。アフリカの貧しい国々で、教育や医療、食料さえ十分に得られない人々。
そうした状況にある人たちに比べて、私は「頑張れることが許されている環境」に生きている。それ自体が、どれほど幸せでありがたいことか。
だからこそ私は、今この環境の中で、自分の持てる力を使い、誰かの役に立つ生き方をしたいと強く思っている。
映像制作を始めた頃、私は「このままでは5年以内にAIが編集の仕事を奪う」と危機感を抱いていた。
実際、AIの発展は急速で、誰もが簡単に編集できる時代になりつつある。
しかし、だからこそ私は、AIに置き換えられない分野に挑戦し続けようと決めた。
海女漁という伝統的な漁業も、パン屋の現場でお客さんと顔を合わせてパンを焼くことも、子どもたち一人ひとりと向き合いながら行う教育も、そこには人間ならではの温度がある。
テクノロジーがいくら発展しても、心の通った営みや、人とのリアルなつながりは、簡単に代替できるものではない。
私が多様な挑戦を続けているのは、単なる好奇心ではなく、「自分の存在価値を、自分で作り続けたい」という意志の表れである。
都会に行くことだけが成功ではない。
地方に残り、自ら仕事をつくり、誰かの役に立つ生き方もまた「志ある人生」だと思う。
「どこで生きるか」ではなく、「どう生きるか」に焦点を当てた社会を、私はこの地からつくっていきたい。
教育、クリエイティブ、地域経済。
これらを組み合わせて、誰かが「そんな生き方もありなんだ」と思える選択肢を、実際に形にしていく。
田舎で生きることが、「我慢」でも「妥協」でもなく、「選択」になる社会へ。
そして、「AIが職を奪う」と怯えるのではなく、「AIと共存しながら、自分だけの価値をつくっていく」生き方へ。
私は、そんな新しい時代の生き方を、足元から実践し続けたい。
夢・志作文の意義
「夢や志がありますか?」
そう尋ねられて、「ありません」と答える人は、子どもだけでなく、大人の中にも多くいます。
けれど本当に「ない」のでしょうか?
思い返せば、誰もが小さい頃には自由な夢を語っていたはずです。「仮面ライダーになりたい」「タイムマシンを作りたい」——大人がクスッと笑ってしまうような夢の中にも、その人なりの憧れや好奇心が詰まっていたと思うのです。
年齢を重ね、社会の現実や常識を知るにつれて、「そんなの無理」「叶いっこない」と、知らぬ間に“夢を持つこと”から遠ざかってはいないでしょうか。
夢は壮大で構わないと思います。そして途中で変わっても構いません。ただ、夢や目標もなく、なんとなく日々を過ごして、なんとなく人生が終わっていくのは、やっぱりもったいない。
夢の解像度が高い人ほど、それに向けて何をすべきかが明確になり、行動に移せます。これは子どもに限らず、大人になってからも同じです。目的を持って行動している人は、そうでない人に比べて、自信や魅力にもつながっていきますし、結果として成果も生まれやすくなります。
それは、受験勉強においても同様です。「何のために学ぶのか」が見えている人は、学びを“自分事”として捉え、前向きに取り組めるようになります。逆に目的が曖昧なままでは、どうしても行動が止まりがちになってしまいます。
ですから、今回の志作文をきっかけに、ぜひ自分の夢や志と向き合ってみてほしいと思っています。
また、夢を「職業」だけで考える必要はありません。
もちろん「医師になりたい」「パティシエになりたい」といった明確な目標があるのは素晴らしいことです。けれど、特に何もないからといって、なんとなく職業名を当てはめると、「それになれなかったらどうしよう」と不安になったり、自分を狭く限定してしまうことにもつながります。
今はAIの進化などで、これまでの“当たり前の仕事”が大きく変わりつつあります。今ある仕事がなくなるかもしれない。逆に、これまでなかった仕事が新たに生まれるかもしれない。
だからこそ、「こういう仕事があったらいいな」「こんなふうに生きていけたら素敵だな」——そんな発想から夢を考えてみてもいいのです。
今、自分の人生と向き合える環境にあることは、それだけで幸せなことです。世界には、戦争や貧困の中で、夢どころか「頑張ること」すら許されない人たちがいます。私たちは、夢を語り、行動できる自由の中にいます。そのことに感謝しつつ、自分自身と未来に向き合っていってほしいと願っています。

校舎長坂本は、キムタクにあこがれてずっとパイロットになりたいという夢があったそう。また以前いた東進ハイスクール大井町校では、夢・志作文担当をしていただけあって、ここにかける想いが強いです
夢・志作文コンクールの詳細
締め切り
2025/5/31(土) 提出締め切り
規定
以下の内容を含めて、1,200字以上で作文して下さい。題名は自由につけて構いません(文字数には含めない)。
- あなたは、どんな人生を送りたいですか。夢・志を教えてください。
- それを実現するために、これからどのように行動していこうと考えますか。
対象
東進に通う全国の高2生、高1生
学力POSからエントリー
学習応援のために
上位30名 MacBook Airをプレゼント


上位31~50名 iPadをプレゼント


2024年 最優秀作文
昨年の1位の作文です。参考にしてください。












筑波大学附属駒場高校 高1 貫井大雅くんの作品です。すごいですよね!

