2025年春 受験体験談~金沢大学合格・宮崎玲菜さん ~揺るぎない目標と「好き」の力で掴んだ第一志望合格~

国立大学のなかでも地方の難関国立大学として位置づけられている金沢大学。千葉大と同レベルで、北陸地方ではトップクラスの大学です。そんな金沢大学に2025年3月、現役で合格した宮崎玲菜さんの合格体験談をご紹介します。
「英語が好き」が原動力:中学時代の運命的な出会い
私が第一志望の大学への合格を掴み取ることができたのは、揺るぎない目標と、そして何よりも「英語が好き」という強い気持ちがあったからだと思います。
私が英語に魅了されたのは、中学時代に遡ります。定期テストの順位で、「私は英語は他の人より少しできるのかもしれない」、と感じたのが最初のきっかけでした。そして決定的だったのは、世界中で愛される『ハリー・ポッター』シリーズとの出会いです。原作の持つ独特の言葉選びや言い回しに触れたい一心で、英語の原文で本を読み漁り、映画も字幕なしで理解しようと夢中になりました。その過程で気づいたのは、吹き替えではどうしても伝わりきらないニュアンスや、原文だからこそ味わえる面白さがあるということ。「現地の作品は、その現地の言語でそのまま感じ取りたい」という思いは、私の学習意欲をさらに掻き立てる原動力となりました。

英語力向上への挑戦:英検準1級と「気合」の単語学習
英語への探究心は留まることを知らず、中学生の時には実用英語技能検定(英検)2級を取得。高校ではさらに上を目指し、準1級の取得に向けて勉強を開始しました。今思えば、高校2年生のうちに準1級を取得できていれば、大学入試での英語外部試験利用などで有利なケースも多く、もっと早く取り組めばよかったという反省もあります。それでも、準1級の学習を通じて触れた高度な語彙や長文は、私の英語力を格段に引き上げてくれました。
単語学習は、まさに「気合」でした。予備校の「高速マスター」は、基礎的な単語や熟語を効率よく覚えるのに役立ちました。TOEIC対策用の教材も、質の高いビジネス関連の語彙やリーディング素材が豊富で、英語の総合力を高めるのに有効でした。とにかく「単語は多ければ多いほど良い」と考え、出題範囲の8割をしっかりと固めることを目標に、全科目でこの意識を持ち続けました。熟語の重要性も日々感じており、単語と並行して徹底的に覚えました。

ライティングと海外研修:英語を「使う」喜び
英語学習の中で特に力を入れたのがライティングです。予備校の関正生先生の教材は、論理的な文章構成の「型」を学ぶ上で非常に参考になりました。ライティングの型をできるだけ多くストックし、様々なテーマに対応できるように練習を重ねました。このライティング学習は、実は単語や熟語、文法知識の定着にも繋がる「一石二鳥」の勉強法でした。自分の言葉で文章を組み立てる中で、曖昧だった知識が整理され、使える語彙が増えていくのを実感しました。
さらに高校2年生の夏には、1週間のマレーシア海外研修に参加する機会にも恵まれました。残念ながら高校のスピーチコンテストは、この海外研修と日程が重なってしまい出場できませんでしたが、マレーシアでの経験は、現地の多様な文化や英語の使われ方に触れる貴重な機会となり、学習へのモチベーションを一層高めてくれました。高校生活では水泳部に所属し、最後まで練習に打ち込みました。部活動で培った体力と精神力は、間違いなく受験勉強を乗り越える上での大きな支えとなりました。

受験戦略の転換:得意を活かす「一括入試」への挑戦
受験戦略という点では、大きな転機が訪れたのは高校3年生の12月、共通テスト本番を目前に控えた時期でした。それまで一般的な入試方式を考えていた私ですが、偶然にも「一括入試」という、英語・国語・総合問題で受験できる独自の選抜方式があることを知ったのです。英語を得意とし、国際的な分野への関心も高かった私にとって、この入試方式は大きなチャンスに思えました。
総合問題は、特定分野の知識だけでなく、思考力や表現力が問われる融合的な試験です。私は元々、国際関係だけでなく、医療分野や環境分野といった理系寄りのテーマにも関心がありました。学部名だけで進路を狭めるのではなく、幅広い学問分野に触れられる可能性に魅力を感じ、この一括入試に挑戦することを決意しました。
苦手克服と総合力向上:各科目の戦略的学習
この決断をしてから、まず、得意の英語はさらに得点を伸ばせるよう、過去問演習とライティング対策に一層力を入れました。国語は、古文・漢文を得点源にすべく、基礎から徹底的に復習し、本番では満点を取ることができました。現代文も安定して高得点を取れるようになり、国語の時間は私にとってある種の「息抜き」とも言える時間になっていました。
最大の課題は、元々苦手意識のあった数学でした。「嫌い」と思ってしまうと何も手につかなくなるので、とにかく「気合」で向き合いました。予備校の授業で基本的な解法パターンを繰り返し確認し、問題演習を重ねる中で、少しずつ解ける問題が増えていくのを実感しました。受験直前期には、いかに数学を早く完成させるかが合否を分けると信じ、集中的に取り組みました。その結果、苦手だった数学も着実に得点力を伸ばすことができました。
また、総合問題対策として、高校で選択していた生物と化学の知識が役立ちました。直接的な問題が出題されなくても、科学的な視点や論理的思考力は、様々なテーマを扱う総合問題に取り組む上で非常に重要だったと感じています。「やっておいて良かった」と心から思いました。
メンタルとの戦い:努力を継続する力
「勉強はしなくてはいけない」と頭では分かっていても、なかなか行動に移せない時期もありました。しかし、「勉強の不安は勉強でしか解決できない」という言葉を胸に、12月以降は文字通り朝起きてから寝るまで、ひたすら机に向かいました。私はどちらかというと「形から入る」タイプなので、勉強時間や場所をしっかり決めて取り組むことで、集中力を維持しました。
受験は学力だけでなく、メンタルとの戦いでもあります。模試の結果に一喜一憂したり、先の見えない不安に押しつぶされそうになったりすることもありました。そんな時、最後までやり抜いた水泳部の経験や、家族、予備校の先生方、友人たちの励ましが大きな支えとなりました。
未来への展望と後輩へのエール
将来的には、IOC(国際オリンピック委員会)のような国際機関でスポーツを通じた国際貢献に携わることや、先端医療、国連といった分野で社会に貢献できる人材になることが夢です。理系的な分野にも関心があるので、文理にとらわれず幅広く学びを深めていきたいです。

私の合格体験記が、皆さんの夢の実現に向けて少しでもお役に立てれば幸いです。皆さんの健闘を心から応援しています。
